単純性血管腫

真皮浅層で毛細血管が拡張して生じる、出生時から存在する境界明瞭な紅色斑です。終生、持続し、前額部と後頭部以外は基本的に自然に治ることはありません。加齢により、色調が濃くなっていき、暗赤色を呈することがあります。顔面では、まれに思春期以降に病巣が増大隆起し、その上に結節性隆起を多発することがあります。

 

特殊な病型として、前額部の真ん中にハート型に淡紅色の斑や、眼瞼に淡紅色うぃ呈するものをサモンパッチ、後頭部に生じたものをウンナ母斑と呼びます。教科書的には、サモンパッチは2歳までに自然消退するが、ウンナ母斑は自然消退しない、とありますが、臨床上は、消えずに残るサモンパッチもありますし、成長とともに消えるウンナ母斑も見かけます。

 

上の写真のように、大きく隆起しているものにレーザーを照射しても時間と回数とコストがかかりますので、手術で切除するのが一番です。小さいものはレーザーで早期に消すことが可能です。

 

当院の色素レーザー、Vbeam2はパルス幅可変型の効果の高いものですが、レーザー治療は色が薄いから消えやすいということはなく、やってみなければわからないことも多いので、まずはテスト照射を行います。効果が全くないということは、まずありませんが、レーザー治療には回数とコストがかかりますので、費用対効果について相談させていただきます。

 

単純性血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症の場合は保険適用となります。

色素レーザー照射法 3割負担の場合 1割負担の場合
 ~10cm2 ¥6,500 ¥2,200
~50cm2 ¥12,500 ¥4,200
~100cm2 ¥20,000 ¥6,700
~150cm2 ¥27,500 ¥9,200
~180cm2 ¥32,000 ¥10,700

※レーザー施術後は最低3か月の経過観察が必要となります。