苺状血管腫(いちごじょうけっかんしゅ)

苺状血管腫の多くは生後1ヵ月以内に発生し、その後急速に大きくなり、生後3ヶ月~1歳でピークに達した後、2~10歳までに自然に改善していきます。そのため、昔は積極的な治療を行っていませんでした。しかし、苺状血管腫を自然治癒させた場合に紅色の部分が長期間続くと、凹凸の瘢痕を残し、醜状痕となることがあります。従って、最近では色素レーザーやドライアイスなどで早期に積極的に治療を行う場合があります。

 

当院でも苺状血管腫の治療にレーザーとドライアイスを使用しています。およそ3週間に1回、いずれかの治療をします。ただし血管腫によっては治療の回数が大きく違い、数回、場合によっては数十回を必要とすることがあります。また、どちらの治療も痛みを伴うので、必要であれば、治療の前に痛み止めのテープ、クリームで処置を行います。

 

治療目標
外観上わからなくなるまでを治療目標と考えていますが、さらに増大隆起していくものや、かなり大きくて治療に反応しにくいものについては痕を残す場合があります。もちろん自然治癒させた場合と比較すると、かなり改善はしますが、それでも痕を残した場合は、ある程度の年齢になってから出来るだけ目立たないようにする手術を行う必要があります。

そのため、痕を残すことにならないように出来るだけ早期に治療開始するべきです。見つけたらすぐに来院をするようにお勧めします。

 

レーザー治療について
赤アザ用の色素レーザーを使用して治療します。
レーザー照射後は徐々に赤黒くなっていき、紫色や黒色の斑点が出来たりします。

主に色素を改善する目的で治療します。

 

ドライアイス・液体窒素治療について
ドライアイス・液体窒素で苺状血管腫を数秒の間、冷凍凝固します。

主に隆起を平坦化させる目的で治療します。

 

腹部苺状血管腫、平坦型
腹部苺状血管腫、平坦型

平坦な場合は、比較的早く消退させることができます。

頭部苺状血管腫、隆起型
頭部苺状血管腫、隆起型

隆起型の場合は、色素を消失させることができても、隆起が残る場合があります。上の写真では、運よく隆起を残さずに治療できました。


単純性血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症の場合は保険適用となります。

色素レーザー照射法 3割負担の場合 1割負担の場合
 ~10cm2 ¥6,500 ¥2,200
~50cm2 ¥12,500 ¥4,200
~100cm2 ¥20,000 ¥6,700
~150cm2 ¥27,500 ¥9,200
~180cm2 ¥32,000 ¥10,700

※レーザー施術後は最低3か月の経過観察が必要となります。