脂肪腫について

 脂肪腫は皮下脂肪組織が増大し、隆起してくる軟部腫瘍です。腫瘍そのものに痛みなどの症状はありませんが、背中や肩などにできると肩こり、腰痛の原因になる場合もあります。基本的には隆起による見た目の異常を改善する目的で来院されることが多いです。

 

率は少ないですが、悪性病変が存在する可能性もありますので、念のため病理組織検査に提出させていただいております。

 

中身は右上の写真のような黄色い脂肪組織か増大したものです。やわらかく、可動性がありますので、上の写真のようにかなり大きいものでも、局所麻酔で2~3cmの小切開で摘出することが可能です。前腕に生じる多発脂肪腫では、腫瘍の大きさにもよりますが、0.5~1.5cmの小切開で切除することも可能です。切開線の長さは、皮膚の厚さと腫瘍の大きさにより変わります。

 

手術について

治療は手術で取り除く以外にありません。小切開で切除しますので、傷跡はあまり目立ちません。

術後、内出血が起こる場合があります。まれに切除した空間に血がたまる血腫というものが発生する場合もありますが、比較的長引かずに吸収されることが多いです。

血をサラサラにする薬を内服されている方は内出血や血腫が発生する可能性が高くなりますので、必ず診察時に医師にお伝えください。